やっとナイフの

レビューみたいなのが出来そうになって来たのでやります。

 

相変わらず獲物はほとんど獲れてませんが、狩猟をやっている知り合いが増え、解体の手伝いをしたり獲物の足を皮付きで一本貰ったり、更にはイノシシ一頭丸投げされたりでナイフの使用が増えました。山菜も少しずつ知識が増えて色々採れるようになって来たので、その辺での使用感をレビューして行きます。まだまだ経験が浅く、間違った事も書いてるかも知れませんが、個人の感覚は感覚として誰かの参考になれば幸いです。

 

今回書いていくのはクリスリーブグリーンベレーと、Gサカイさんのキムンカムイ(鋼材ATS-34バージョン)と、モーラナイフのコンパニオン服部刃物さんの845(鋼材VG-10)です。

 

 

まずはみんな大好きモーラナイフから

刃長:104mm

刃厚:2mm

全長:219mm

重量:84g

鋼材:スウェーデン

ハンドル:ラバー
   

どういうワケか今手元に無いので画像が無いのですが、私が持っているのはコンパニオンというナイフです。モーラナイフって検索したらすぐ出て来ますが、種類が多い上に私は店舗(無印良品)でたまたま見つけて買ったので、ハッキリとコレ!とは分からなくなってしまいました・・

 

とりあえずコンパニオンのステンレスのヤツです。

 

モーラといえば驚異的なコストパフォーマンスで有名だと思いますが、実際3000円前後で買えて(高いのもある)、よく切れるし良いナイフだと思います。

 

単純に刃の形状というか、うまく説明出来ませんがスカンジグラインドというらしいんですけど全体的に刃が薄いので、鋭い刃を付けやすいんじゃないかなと思います。

 

偶然なのか、私が見てる世界が狭いのか分かりませんが、私が知ってる限りではこのスカンジグラインドと呼ばれている形状のナイフはアウトドア用のシースナイフ(固定刃)としてはあまり見ない形状です。私は折り畳みナイフを買わないので、折り畳みの方ならあるのかな??

 

あと硬度はよく分かりません柔らかく感じ、刃物を研ぐのに慣れてない人でも研ぎやすいと思われます。

 

ただ、研ぎやすいという事は変形しやすいという事で、ちょっとした事で切れ味が低下しやすい気がします。

 

それでも私の住んでる地域の猟師の使用率の高さは異常なので、獲物を捌くのが上手くなれば切れ味を落とさずに使って行けるのでしょう。

 

刃が薄いので細かい作業もやり易いです。4本の中では一番山菜採りに向いています。

 

次は服部刃物さんの845というナイフですね。

 

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刃長:75mm

全長:172mm

刃厚:約3.5mm

重量:75g

鋼材:V金10号(VG-10)

ハンドル:マホガニー

小さいナイフですが、見た目からは想像出来ない重さ(よい意味で)VG-10という鋼材と、何より持った瞬間のハンドルが手に馴染む感じに惹かれて買ったナイフです。

 

これは解体とかには使っておらず、ちょこっと山菜取ったりしているだけなのですが、見かけによらず刃が分厚いので、ハッキリ言ってウドとかフキとかを切るような細かい作業には向いてません。

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とても小さいナイフですがフルタングとなっており、超頑丈なのは良いけどこれで薪割らんやろ・・・ってチグハグ感が否めません。でもとても気に入ってるナイフなので、このナイフにしか出来ないような事が見つかれば嬉しいです。

 

ちなみに以前このナイフを買った時に記事を上げて、魚釣りのためだけに買ったと書いたんですが

 

この前初めて渓流でアマゴが釣れたんですが、なんとこのナイフを持って行くのを忘れていたため、使用感分からずというていたらく

 

ここまで書いて「じゃあ書くなよ・・」って言われそうだなと思ったんですが、一応山菜採る時にも使ったし、なんというかスミマセン

 

さて、次は今までブログには載せてませんでしたが、物欲に負けて買ったキムンカムイというナイフです。

 

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刃長:135mm

刃厚:5mm

全長:260mm

鋼材:ATS-34

ハンドル材:G-10

重量:320g

 

結論から書くと、実際に使用してみて「買って良かった!」感が1番強かったナイフです。

 

ベテランヒグマ猟師さんとGサカイという日本の刃物メーカーが一緒に作ったナイフで、ヒグマの爪を模した形状だそうです。

今メーカーから買えるキムンカムイは鋼材がVG-10になってるみたいですが、私が購入したのはATS-34という鋼材を使用したものらしいです。

パッと握った感じではハンドル(柄)の部分はあまり手に馴染む感じがせず、買ったのは失敗やったかな〜と思ったのですが、実際に獲物の解体に使ってみると、信じられないぐらい使い易いナイフでした。

まず刃の形状。先述のグラインドの話ではなく

 

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刃を横から見た時の形で、刃先が上に向かってカーブしている。これはスキナー(皮剥ぎ)ナイフと言われるナイフに多く見られる形らしいです。

 

そもそも何故このナイフが欲しかったのか

 

私は最初は(なんなん皮剥ぎ用ナイフって・・そんなん言い出したら何本ナイフ用意せなあかんねん、そもそもちょっと形が変わったぐらいで何が変わんねんいらんやろこんなん、アラビアンナイトか)とか思ってたんですが、実際に他人のスキナーナイフを借りてイノシシの皮剥ぎをやってみた時に

 

あああっ!!全っっっ然違う!!めっちゃやり易い!欲しいっ!!

 

と言い、スキナーナイフ兼グリーンベレーに何かあった時のための予備ナイフを探し回り、このナイフに辿り着きました。ただし厳密に言ってキムンカムイをスキナーナイフと呼んで良いのかどうかは分かりません。あしからずー

 

グリーンベレーはナイフとしてのポテンシャルは凄まじいと思うのですが、どうしても器用貧乏という感じになってしまいます。

その点このキムンカムイは獲物の解体に特化してるだけあって、とにかく獣を捌く色んな場面で使いやす過ぎて、解体となるとつい使ってしまいます。

 

でも、こういう使い勝手もグリーンベレーでの解体の経験があるからこそ分かる事なので、色々試すのは悪くないと思います。

 

そしてこのキムンカムイATS-34という鋼材ですが、ネットでザッと調べたら日本の日立金属という会社?が作ったもので、世界的に評価が高く、長年愛されて来たにも関わらず大分前に生産中止になっていて、更には会社自体も昨年売却されているという事で

 

レア度が上がって価値が上がるのか?無くなって行くならレビューする意味が薄いのか??とも思いましたが、ネットを見るとまだまだ加工前のATS-34ATS-34を使用したナイフは出回ってるので、なかなか入手困難とはならないような気がします。

 

それでも、気になるナイフでATS-34を使用しているモノがある方は、早目に入手しておいた方が精神衛生上は良さそうですね。

 

ちなみにイノシシ一頭解体して、関節外す時にグリグリやったりかなり荒く使っても、ほとんど切れ味が落ちませんでした。

 

勿論多少は刃が傷んでいたので終わってから研ぎ直しましたが、研ぎ直すのもそれほど大変ではなく、評判通りの鋼材だなと思います。

 

ゆくゆく狩猟をやるかも知れないけど、今はキャンプとかでしかナイフを使う機会が無いけど、一生モノのナイフが一本欲しいっていうような方には自信を持ってオススメします。

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昔のキムンカムイはナロータングがあったみたいですが、たぶんマイナーチェンジを経て今は全てフルタングで、薪割りだってガンガン使えそうです。

あえて書くなら刃が分厚いので、山菜採りには向きません。

そしてキムンカムイを買おうか迷ってる人は高確率でキムンカムイ2も気になってると思いますが、私はキムンカムイ2は触った事も生で見た事もないので分かりません。

Gサカイさんのオンラインストア情報を見ると、2の方が少し小型で刃も薄くなっており、細かい作業に向いてるのかなとは思います。

 

1つ言えるのは、どちらも想像より一回り大きいという事です。キムンカムイは全長26cm、キムンカムイ2でも全長22.5cmあります。1番良いのは手に取って見る事なんですが、それがなかなか難しいんですよね・・

 

さて最後に私のメインナイフであるクリスリーブ社グリーンベレーというナイフです。

刃長:約142mm

刃厚:約5.4mm

全長:約276mm 

鋼材:CPM S35VN 

硬度:55-57 

ハンドル:マイカルタ

重さ:約322g

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タヌキに噛まれまくってコーティングはボロボロになりましたね。

ハンドルに関しては、握った時最も力が入り易いハンドルです。

ハンドルに関して今思うのは、モーラはあまりこだわりを感じられませんが、服部ナイフ、キムンカムイ、グリーンベレーそれぞれにコンセプトを感じられるような気がします。

 

服部ナイフは持った時の心地良さ、キムンカムイは解体のし易さ、そしてこのグリーンベレーは、殺人に特化したナイフであると感じます。

グリーンベレーを持った時、手に馴染むというより、「力を入れ易い」もっというと、「勝手に力が入る」感覚に陥ります。

 

たぶん何言ってんだコイツ○してやろうかと思ってらっしゃる方が多いと思いますが、本当に握った瞬間に敵にナイフを突き刺す準備が完了してる感じなのです。妙な緊張感が走るのです。

 

そもそもグリーンベレーというのはランボーという超面白い映画主人公であるランボーが所属していたというアメリカかどっかの特殊部隊の名称で、そのグリーンベレー訓練終了時に配られるナイフとほぼ同じ物?らしく、そりゃ人殺す事に特化させるだろうねという浅はかなイメージを具現化させたかのような握り心地です。

 

それだけに山の中でこのナイフを持ってる時の安心感は格別です。勿論クマと闘おうなどとは1ミリも思いませんが、一応心強いです。気持ちだけの問題ですが気持ちは大事です。

 

最初は私はこのナイフしか持ってなくて、このナイフが良いのか悪いのか本物なのかニセモノなのかさっぱりわからないまま使用してたんですが、後に他のナイフを使ってみて気付いた事があるんですが、

 

一回も研ぎ直した事が無い

 

という事。厳密には最初の頃メチャクチャな研ぎ方をしてしまって全然切れなくなって、脳が混乱してクルクルパーミヤンになった事があり

、その後研ぎのプロにお金払って研いでもらったという淡い記憶があるんですが、それ以来使用後に切れ味の低下を感じた事が無かったのです。

 

勿論使用後に手入れはしてましたが、刃こぼれも無く、プロが研いだ後に下手に研ぐとまたややこしい事になるし、と言うか切れ味変わってないし・・いっか!みたいな

 

私は他のナイフを知らなかったので、そんな事は全く気にしてなかったんですが、特にモーラナイフの切れ味の低下具合を体感してから、これは本当に凄いナイフだったんだなと思いました。

 

グリーンベレーの鋼材はCPM-S35VNというもので、とりあえずスゴイ鋼材らしく、そんなに硬くないのに鋭い刃が付けられ、更にやたら長く切れる(切れ味が長持ちする)、しかもサビや腐食にも強いという夢のような鋼材らしいです。私から見ると、今の所欠点は値段だけです。

 

グリーンベレーはハンドルの素材がイカルタというモノですが、若干吸水性があるので、衛生面ではあまり宜しく無いと思います。あと言うまでもなく山菜採りには向きません。

 

初めて買った高級ナイフなので思い入れが強く、形状的に刺突性能に優れているので、獣の止め刺しには今後も使いますし、山に入る時には必ず携帯します。

器用貧乏という事はどんな事でもある程度こなせるという事なので、今後もとにかく使いまくります。

 

最初はグリーンベレー1本でやって行こうという硬い決意を持っていたのですが、どういうわけか物欲に負けて刃物を追加しまくっていった結果、図らずも比較できるようになってきました。

 

結果的には愛するグリーンベレーの良さが実感出来る様になってきましたし、我慢するのも体に悪そうだし、皆様も凝り固まらず思い通り生きていきましょう。その方がたぶん良い方向に進む・・事もあります。

 

あと山菜採り「向かない」というのは植物を「切り辛い」という事で、全く使えないというわけではありません。切ってみれば分かりますが、「切りにくい!刃が必要以上に厚い!」って心の中で言うと思います。

 

質問とか、間違いとか、あれば、なんなりと